配偶者控除存続へ 専業主婦世帯に配慮

2016/10/07
配偶者控除存続へ
専業主婦世帯に配慮


毎日新聞2016年10月6日
2017年度税制改正の焦点となっている配偶者控除の見直しで、政府・与党は、代替案の夫婦控除(夫婦なら一定の控除を適用)導入を先送りし、配偶者控除の適用拡大を検討する方針に転換した。安倍政権が掲げる「働き方改革」の柱として、女性の就労を妨げているとされる配偶者控除の廃止を探ったが、年明けの衆院解散が取りざたされる中、増税となる専業主婦世帯などの反発を招きかねないと判断したためだ。

選挙意識し方針転換

 配偶者控除廃止の動きは8月下旬に公になった。自民党の宮沢洋一税制調査会長が見直しを主張し、9月には茂木敏充政調会長が「配偶者控除から、パート収入の上限がない夫婦控除に移行していく」と踏み込み、所得税改革の機運が高まるとの見方が広がった。

 配偶者控除は「夫が働き、妻は家庭を守る」という高度成長期の家族モデルを前提に、専業主婦世帯を優遇する制度。約20年前に共働き世帯が専業主婦世帯を上回り、「時代にそぐわない」との指摘が出ていた。
 ただ、配偶者控除を廃止し夫婦控除を導入すれば、専業主婦世帯を中心に多くの世帯で増税となる可能性がある。次期衆院選を考えれば増税世帯の増加は避けたいのが与党の本音。閣僚の一人は「どれだけ多くの世帯を敵に回すか分からない。政府内も一枚岩ではない」と漏らしていた。年明けの衆院解散説が広がった9月下旬から、夫婦控除導入論は急速にしぼんだ。

 支持層に専業主婦世帯が多い公明党への根回しも進んでいなかった。公明党が重視する東京都議選は来夏。夫婦控除の拙速な導入による選挙への悪影響を恐れた。公明幹部は「議論を煮詰めるには時間が必要。今年の導入などとても無理だ」とけん制した。麻生太郎財務相も記者会見で「(家族のあり方の)価値観の話が入り、簡単ではない」と慎重姿勢を強調。宮沢税調会長は6日の岸田派会合で「夫婦控除というものは、なかなか厄介な話がたくさんある」と述べ、導入見送りを事実上認めた。

 しかし、安倍政権は女性の就労促進を含めた「働き方改革」を重要課題に掲げており、「税制改正でゼロ回答は許されない」(自民党幹部)事情もある。菅義偉官房長官は財務省幹部に、配偶者控除を受けられる年収要件(103万円)の緩和検討を指示。茂木氏も6日の会見で「大切なのは、働きたければもっと働けるよう『103万円の壁』を早期かつ実質的に取り払うことだ」と方向を一転させた。年収要件緩和でパート女性の就労時間を増やす狙いだが、経済官庁幹部は「選挙を意識した有権者向けの『あめ』に過ぎない」と冷ややかだ。【大久保渉】

適用範囲拡大、新たな壁

 政府・与党が今後検討するのは配偶者控除の適用範囲の拡大だ。夫が会社員で妻がパートなどで働く世帯の場合、夫が配偶者控除を受けられる妻の年収上限は現在103万円で、これを引き上げる方針。だが、引き上げ後の上限が女性の就労を阻む「新たな壁」となる恐れがある。
 現在の配偶者控除は、妻の年収が103万円を超えると、夫の税負担が増える。また、企業も103万円を基準に配偶者手当などの支給を減らすところが多いとされる。これを嫌って妻が働く時間を抑えようとするため、「103万円の壁」と呼ばれている。
 総務省の調査によると、パートで働く女性の年収は「50万円以上〜100万円未満」が約48%を占める。新たな上限の水準を巡っては、政府内で「150万円程度」との意見が出ている。その程度まで引き上げられれば、多くのパート女性が働く時間を増やす可能性がある。

 だが、新たな年収上限を超えれば夫の税負担が増える状況は変わらない。仮に150万円まで引き上げられると、今度は妻が年収150万円を超えないように働く時間を抑える可能性があり、「150万円の壁」となりかねない。また、控除のメリットが専業主婦やパートの妻のいる世帯に限られ、妻がフルタイムで働く世帯との不公平感は残ったままになる。
 増税となる世帯が出るのも避けられない。上限引き上げによる税収減を防ぐため、夫の年収に上限を設けて適用対象を絞ることが検討されているためだ。夫婦控除の導入より対象世帯の拡大が小幅にとどまるため夫の年収制限は比較的高い水準になる可能性がある。それでも専業主婦のいる高所得層は増税になるとみられ増税世帯の反発を抑えられるかも課題となりそうだ。

 女性の就労を巡っては、税制以外の「壁」も指摘される。年収が130万円以上だと年金など社会保険料の支払いが発生するため、「130万円の壁」と呼ばれている。今月からは、従業員数501人以上の大企業でこの基準が106万円に引き下げられ、新たに「106万円の壁」が生まれたとされる。大和総研の是枝俊悟研究員は「社会保険の壁があり、配偶者控除の年収上限を引き上げても女性の就労拡大を後押しするという効果は限定的」と指摘する。【横山三加子】

------------

頭では判っていても動けない典型的な例ではないでしょうか!

――――――

人事制度は会社の業績を変える! http://www.sap-c.com

人材ビジネス専門コンサルティング http://www.sap-c.co.jp


sappp.jpg
comment (0) @ 雇用関連ニュース

ヤフー、新卒の一括採用廃止 30歳未満は通年採用 年300人程度

2016/10/03
ヤフー、新卒の一括採用廃止 30歳未満は通年採用 年300人程度

2016/10/3付日本経済新聞 

 ヤフーは新卒の一括採用を廃止する。10月から新卒や既卒、第二新卒などの経歴にかかわらず30歳未満であれば誰でも通年応募ができるようにする。技術者や営業職など全ての職種が対象で、1年で300人程度を採用する計画だ。海外留学生や博士号取得者の就職活動時期の多様化に対応するほか、新卒以外にも平等に採用機会を提供し優秀な人材を確保する。

 経歴を問わない「ポテンシャル採用」を新設する。入社時の年齢が18歳以上30歳未満が対象。入社時期は就業経験のない人は4月と10月、就業経験者はいつでも入社できる。応募から2年以内に入社することが条件。就業経験が十分ではなくても、将来性のある人材を確保しやすい採用形態に切り替える。

 これまで実施してきた中途採用や特殊技能を持つ人材の採用枠は継続する。ヤフーは週休3日制の導入を検討するなど、採用や働き方の見直しを急いでいる。

人事制度は会社の業績を変える! 
http://www.sap-c.com/
人材ビジネス専門コンサルティング 
http://www.sap-c.co.jp/


sap.gif
comment (0) @ 人事制度は会社の業績を変える

2017年1月施行!「育児介護休業法」等の改正で派遣先に求められる対応とは?

2016/10/03
2017年1月施行!「育児介護休業法」等の改正で派遣先に求められる対応とは?

INTIATIVE

文:株式会社パソナグループ コンプライアンス室 マネージャー 酒井信幸


マタハラ防止措置の義務化
2016年3月29日、「雇用保険法等の一部を改正する法律」が通常国会で成立しました。

この改正には雇用保険法のみならず多くの労働関係法規が含まれており、「育児介護休業法」や「男女雇用機会均等法」の一部も改正され、2017年1月1日に施行される予定です。

育児介護休業法と男女雇用機会均等法の改正により、事業主には「いわゆるマタニティハラスメントを防止するために必要な雇用管理上の措置」(マタハラ防止措置)が義務付けられます。

これは、妊娠、出産、育児・介護休業等の取得等を理由とする上司・同僚等による就業環境を害する行為(マタニティハラスメント)に適切に対応するために必要な体制の整備等を求めるものです。

このマタハラ防止措置を有効に実施するために、2016年8月2日に厚生労働省から指針が公布され、改正法の施行後、事業主にはこの指針で定められた適切な措置を講じることが求められています。


労働者派遣法も改正!マタハラ防止措置の特例とは?
そして、この度成立した「雇用保険法等の一部を改正する法律」には「労働者派遣法」の改正も含まれています。

労働者派遣法といえば、2015年9月30日施行の法改正で大幅な変更があったばかりですが、育児介護休業法・男女雇用機会均等法に関連する改正がなされ、これも同様に2017年1月1日に施行されます。

労働者派遣は、「派遣元が派遣労働者を雇用し、派遣先がその派遣労働者に対し指揮命令をする」ものであり、原則的に労働者保護法規については雇用主である派遣元が責任を負う立場にあります。しかしながら、「指揮命令は派遣先である」ということを鑑みて、“特例的に”派遣先が労働者保護法規の責任を負う立場になる場合があります。

2017年1月施行の改正労働者派遣法では、改正育児介護休業法・男女雇用機会均等法の「マタハラ防止措置」は、派遣元のみならず、派遣先も事業主としての責任を負う立場であることが定められています。つまり、派遣労働者に対するマタハラを防止等するための措置については、派遣先も同様に法的な責任を負うことになる、ということです。

男女雇用機会均等法では、今回の改正より前から「セクシャルハラスメント防止措置」(セクハラ防止措置)が事業主には求められており、派遣労働者に対するセクハラ防止措置については派遣先も責任を負う立場にありました。それに加えて、2017年1月の法改正で、マタハラについても同様に派遣先が責任を負う立場になります。


派遣労働者をマタハラから守るために
派遣労働者へのマタハラを防止し、適切な対応をするために派遣先に求められることは、「自社の社員と同様の対応をすること」です。

厚生労働省の指針に基づき2017年1月にむけて、各事業主が体制を整備し、その一環として「相談窓口」を設置する必要があります。ちなみに指針では、マタハラの相談窓口はセクハラの相談窓口と一体的に設置することが望ましいとされています。

もし仮に派遣労働者が派遣先に相談した場合、「派遣労働者は派遣元に雇用されているから派遣元に相談をしてください」というような対応をすることは望ましくありません。
派遣先はマタハラ防止措置について事業者としての法的責任を負っているわけですから、自社の社員と同じ「相談窓口」を案内し、そのうえで派遣先と派遣元が連携をしながら適切な対処をしてくことが求められるでしょう。


まだまだある?派遣先への労働者保護法規の適用
今回の法改正で派遣先が適用を受ける定めは「マタハラ防止措置」だけではありません。

改正前から雇用主である派遣元に適用される規定として育児介護休業法に定められていましたが、育児休業・介護休業等を取得することを理由にする不利益取扱の禁止、育児介護休業法で認められている所定外・時間外労働の制限に関する不利益取扱の禁止等が、新たに派遣先も事業主としての責を負うことになりました。

―――

2016年6月2日には「ニッポン一億総活躍プラン」が閣議決定され、全員参加型の社会を目指すとされています。

今回の法改正の目指すところは、妊娠、出産、子育て等を経ても派遣労働者を含む労働者一人ひとりが円滑に働けるような体制を、これまで以上に強固にしていくことです。

従来パソナグループをはじめとする派遣元が担ってきた労働者保護をさらに進めていくとともに、今後はより一層、派遣先と派遣元の協力を深めていく必要があるといえるでしょう。派遣先と派遣元が緊密に連携して「派遣労働者を守る」という意識が何よりも大切です。

――――

人材ビジネス専門コンサルティング会社
株式会社ソリューションアンドパートナーズ
http//www.sap-c.co.jp


sappp.jpg

comment (0) @ 人材ビジネス会社経営のヒント!