「最低賃金可」「喜んで残業、休日出勤」外国人技能実習生の雇用勧めるチラシはNG?

2016/01/25
「最低賃金可」「喜んで残業、休日出勤」外国人技能実習生の雇用勧めるチラシはNG?

(弁護士ドットコムニュース)

「外国人技能実習生で人手不足を解消!!」。そんなキャッチコピーで外国人技能実習生の雇用を勧める企業向けの「チラシ」の画像がツイッターに投稿され、波紋を広げた。
そのチラシは「給与は最低賃金が可能」「残業、休日出勤は喜んで仕事します」などとうたい、外国人技能実習生を雇うことのメリットを強調。通訳サポートをしていることや、入国前に日本語やマナーを徹底指導することもアピールしていた。外国人技能実習生の日本での就労を斡旋する業者のようだ。ツイッターの投稿者はチラシについて、「これやばいだろ」としつつ、企業名は伏せていた。
このチラシの画像について「外国人研修生を奴隷かなにかと勘違いしているのではないか」「こんなことが横行する国が先進国と言えるのか」など、多くの批判の声が寄せられた。このようなうたい文句で外国人技能実習生を雇用することは問題ないのだろうか。外国人労働者の問題に詳しい池田泰介弁護士に聞いた。

●深刻な状況に置かれている

「紹介されたうたい文句は、まさに外国人技能実習制度の趣旨と現実の乖離(かいり)を端的に示しています」
池田弁護士はこのように述べる。
「技能実習制度は、国際貢献のために、外国人による技能習得を通じて、日本の技術や知識を海外に移転することを名目としています。ですが、その実態は非熟練単純労働者の不足を解消するための制度といえます。
外国人技能実習生にも日本の労働法が適用されますから、受入先は、入国1年目から労働基準法や最低賃金法を守らなければなりません。
これは、裏を返せば、最低賃金を支払い、労働基準法通りの残業代を支払ってさえいれば、法律上の問題はクリアすることになります」
すると、今回問題となったチラシのような条件で雇用することは、問題ないということだろうか。
「チラシだけをみればそうかもしれませんが、実態として、外国人技能実習制度の問題点がたびたび指摘されています。
通常、この最低賃金から、寮費や食費、水道光熱費等の名目で金銭が控除されます。
入管ガイドラインでは、『寮費や食費を控除する場合には実費を超えてはならない』とされていますが、実際には、実費を超える額が差し引かれ、最低賃金を大きく下回る安価な賃金で労働させられている可能性があります。
また、労働時間の管理がずさんで、長時間のサービス残業を課す、過小な定額残業代を支払う、有給休暇が事実上ないといった事情があれば、当然違法です。

日本人ですら、残業代の不払いなど同種の問題が後を絶ちません。立場がより弱く、しかもセーフティーネットの整備が不十分な外国人技能実習生は、もっと深刻な状況に置かれているのです」
外国人技能実習生を守るための制度はないのだろうか。
「現在、技能実習制度について、新しい法律を制定することが国会で審議されています。おおまかには、次のような内容です。
・現行制度の実習期間を、最長3年から、一定の要件のもとで、さらに2年延長する。
・実習生あっせんと受入先企業の監督業務を担う『監理団体』を許可制とする。
・別途『外国人技能実習機構』という名の第三者機関を設ける。
法案は、現行制度に改善が加えられていると、一定程度評価できます。ただ、安価に人手不足を解消できる実態が変わらない以上、法案の成立によって外国人の受け入れは進む一方で、潜在的な人権侵害がより増えるのではないかと危惧されます」

池田弁護士はこのように述べていた。

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