パート賃上げ 正社員超え

2016/06/21
パート賃上げ 正社員超え
流通・外食で今年2.20%、人手不足映す 業種により温度差

2016/6/21付
日本経済新聞 朝刊

 深刻な人手不足を背景に、パートなど非正規労働者(総合2面きょうのことば)の賃上げの動きが広がっている。流通業などの労働組合で構成するUAゼンセンでは、今春のパートの賃上げ率が初めて正社員を上回った。アルバイトの時給も上昇が続く。今春の大手企業の賃上げは過去2年より鈍かったが、パートなどで働く配偶者の収入増で世帯収入が増えれば、力強さを欠く消費の下支え要因ともなりそうだ。

バイトも上昇

 UAゼンセンは小売りや外食など約2500の労組が加盟。連合傘下で最大の約160万人の組合員のうち、54%をパートなどの非正規労働者が占める。組合員数ベースで80%超が妥結した6月上旬の中間集計では、パートの賃上げ率は2.20%(時給で20.1円増)と、正社員の月給上昇率(2.02%)を上回った。
 高い賃上げ率の背景は深刻な人手不足だ。厚生労働省によると、2016年4月の有効求人倍率は前月比0.04ポイント上昇の1.34倍(季節調整値)と24年5カ月ぶりの高水準だった。パートだけでは1.69倍に達した。
 ニトリホールディングスは今春、約1万8千人のパートの時給を平均28.7円引き上げた。上げ幅は総合職の社員(2.57%)より高い3.07%。首都圏地盤のスーパー、エコスも今春のパートの賃上げ率が2.25%と正社員(1.67%)を上回った。「新規出店では賃金が高水準でないと人手が確保できない」
 学生などの短期間勤務を含めたパート・アルバイトの時給も上昇が続く。求人情報大手のリクルートジョブズ(東京・中央)が20日まとめた三大都市圏(首都圏、東海、関西)の5月の募集時平均時給は984円。前年より1.9%上がり、35カ月連続プラスとなった。

派遣料金上げ

 専門の派遣会社が社員として雇用し、メーカーなどに派遣する技術者派遣の料金も上がっている。大手派遣会社が自動車や電機といった派遣先から受け取る料金は今春に平均1~3%上昇し、1時間あたり3600~3800円となった。派遣社員の賃金はこのうちの5~7割程度だが、派遣先企業の採用コストで見れば自社の正社員とあまり変わらない水準になりつつある。
 今春の賃金交渉では昨年までに比べて賃上げの動きが力強さを欠いた。経団連の第1回集計では大手企業の賃上げは過去2年に比べて鈍化した。しかし、パート・アルバイトの給与水準や待遇の改善が続けば、世帯としての収入増につながる可能性もある。

世帯収入増も

 総務省の家計調査によると、2人以上の勤労者世帯の1カ月当たりの給与収入は15年に48万5595円と、11年に比べて約1万2500円増えた。なかでも配偶者の収入は月平均6万4768円と1万円以上増えて過去最高だった。
 ただ、小売りなどに比べて製造業の改善の動きは鈍い。中小製造業の労働組合が多く加盟する、ものづくり産業労働組合(JAM)によると、5月中旬時点で非正規の賃上げを検討していたのは50組合と労使交渉をした労組の3%にとどまる。「正社員の賃上げで精いっぱい。非正規はこれからというケースが多い」
 第一生命経済研究所の星野卓也副主任エコノミストも「小売業などは非正規の役割が大きいため、他業種に比べて賃金改善が進んでいる」としており、業種による温度差も広がりそうだ。

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