奈良・労災事故:死者3人は派遣労働者 「訓練で防げた」

2016/11/14
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奈良・労災事故:死者3人は派遣労働者 「訓練で防げた」

毎日新聞

 廃棄物リサイクル会社「I・T・O」(奈良市)の2工場で今夏の約1カ月間に死亡労災事故が3件相次いだ問題で、作業中に死亡した3人はいずれも派遣労働者だったことが奈良労働局などへの取材で分かった。2012年に同社工場で重傷を負った元派遣労働者が「一度も安全教育を受けなかった」と訴訟を起こしていたことも新たに判明。奈良県警は安全管理が不十分だった可能性もあるとみて調べている。

 「I・T・O」を巡っては、8月2日に吉野工場(奈良県大淀町)で男性(67)が木材チップを運ぶベルトコンベヤーに体を挟まれて死亡。同20日には南庄工場(奈良市)で男性(56)が後退してきたショベルカーと停止中のトラックに挟まれ、9月5日には廃材の破砕機に男性(45)が巻き込まれていずれも死亡した。他に11年にも南庄工場で破砕機による死亡事故が起きている。
 県警や労働局によると、8~9月に死亡した3人は正社員ではなく、いずれも別会社から派遣されていたが、I・T・O側の指揮下で作業をしていたとみている。同社には正社員、派遣労働者が各30人程度いるという。

 9月5日の事故で死亡した男性は、破砕機に入れる廃材から石などを取り除く作業を初めて担当し、破砕機から1メートル以内の危険な場所にいた。捜査関係者は「マニュアルは存在し、巻き込まれる前につかまれる部分もあった。訓練すれば防げたのでは」と指摘する。

 奈良、大淀両労働基準監督署は先月、労働安全衛生法違反容疑で8月の事故2件についてそれぞれ同社などを書類送検。2件目の事故は、資格を持たない派遣労働者(56)にショベルカーを運転させた容疑だった。

 一方、吉野工場で働いていた元派遣労働者の男性(58)が、ベルトコンベヤーに右腕を巻き込まれて重傷を負ったとして、同社などに約4000万円の損害賠償を求めて奈良地裁葛城支部に提訴し、「ベルトコンベヤーの使い方などは自習した。安全教育もマニュアルもなく、安全配慮義務違反だ」と主張していることも分かった。
 「I・T・O」と代理人弁護士は取材にそれぞれ「コメントできない」と話した。【塩路佳子、郡悠介】

 脇田滋・龍谷大教授(労働法)の話 

福島第1原発での作業など、危険な業務に派遣労働者を従事させる状況が広がっている現状がある。その中で、違法な偽装請負など派遣元と派遣先、労働者の関係が複雑に絡んで安全管理の責任の所在が不明瞭になり、労働者を守る仕組みが機能していないケースが見られる。危険業務の現場での安全教育に関する責任については、派遣先と派遣元が「共同責任」を負うようにするなど規制強化が必要だ。

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