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非正規の通勤手当「支給格差」は解消されるか

2018/04/02
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非正規の通勤手当「支給格差」は解消されるか

毎日新聞

 多くの会社で定着している通勤手当(通勤費)。正社員と、契約・パート、派遣など非正規社員との間で支給の制度が異なる「格差」が問題になっている。だが、不合理な待遇差を禁じる「同一労働同一賃金」の議論が進んだことや、おりからの人手不足も重なり、格差是正の動きがある。

法的な義務はない

 通勤手当は通勤にかかる費用を補助するため会社(使用者)が支給する。「職場に行くのに必要な費用だから支払われるのが当たり前だ」と思う人もいるだろうが、実は通勤にかかる費用は従業員が負担するのが原則で、企業の支給は法的には義務付けられていない。

労働基準法では「労働の対償」としての「給与」にあたり、支給するかどうか▽全額か一部か上限を設けるか--などは会社が決めることができる。

営業外回りなど業務上の移動でかかる費用も同じ「交通費」だが、こちらは、会社がかかった費用を支給する「実費弁償」で負担するもので「給与」ではない。

 法的な義務がなくても、大半の会社に通勤手当があるのは、従業員が求める福利厚生として広がった経緯があるためだ。戦後、特に大都市では住宅難から遠距離通勤が増え、通勤費の負担が重くなったため導入が進んだ。

さらに人手不足となった高度成長期に普及した。

通勤手当の支給には格差がある

 高度成長期の非正規社員は主婦パートや学生アルバイトなど、家庭内で扶養されている人が中心で、福利厚生の主たる対象ではなかった。こうした経緯から、正社員と非正規社員で通勤手当の扱いが異なる会社もある。

厚生労働省「2016年パートタイム労働者総合実態調査」によると、正社員に通勤手当制度がある会社は90.4%だが、パート社員では76.4%(図)。制度があっても上限額を抑えるなどの差を付けるケースもある。

 しかし、通勤手当を求める非正規社員の声は高い。人材支援企業エン・ジャパンが昨年2月、運営するアルバイト求人サイト「エンバイト」の利用者に行った調査によると「あってうれしかった待遇・制度」は78%が「通勤手当」が挙げ断トツだ。

同一労働同一賃金の動き

 非正規雇用が拡大し雇用者の4割に迫るなか、正社員との格差是正を目指す動きがある。15年施行の改正パートタイム法では正社員との差別的取り扱いが禁止されるパート社員の範囲が広がり、これを受けた厚労省の「実態調査」では10.9%がパート社員の通勤手当の支給を見直した。

16年12月に政府が公表した「同一労働同一賃金ガイドライン案」は通勤手当は慶弔休暇などと同様、非正規社員も正社員と「同一の扱いをしなければならない」とした。

政府が今国会に提出を目指す働き方改革関連法案の行方次第だが、企業は早晩対応を迫られることになりそうだ。
 是正は司法の場でも焦点だ。

13年施行の改正労働契約法で正社員と非正規社員の不合理な待遇格差が禁じられたことから、契約社員が会社を訴える訴訟も起き、独立行政法人労働政策研究・研修機構によると7件で判決が出ている。物流大手ハマキョウレックスの契約社員が格差是正を求めた訴訟で、大阪高裁は16年7月、通勤手当などの格差は違法と認定した。現在最高裁で係争中だ。

 人手不足のなか人材確保のため通勤手当を充実させる動きもある。人材支援のリクルートジョブズが発行する求人誌「タウンワーク」は「交通費全額支給」を特集に組むことが増えている。

 自治体の臨時・非常勤職員についても、自治労の08年の調査では通勤手当を受けている人は47.2%にとどまり、勤務条件が見劣りする。是正を目指す改正地方自治法などの成立を受け、総務省は昨年6月、通勤費は「適切に支給すべきもの」と自治体に通知した。

契約社員はさらに低く

 非正規社員のなかでも、派遣社員は契約・パート社員に比べ通勤手当の支給を受ける割合が低い。一般社団法人日本人材派遣協会の12年の調査では通勤手当を受けているのは22%。支給があっても「ほとんどの場合、月1万~2万円の上限がある」(大手派遣会社)。

 これには業界特有の事情もある。派遣会社(派遣元)は派遣先企業から派遣料金を受け、それから経費を差し引いた金額を賃金として派遣社員に支払う。その際、通勤費は「時給に含めて支給」と説明していることが多く、別に通勤手当を支給する場合は、そのぶん給与から差し引くかたちが一般的だ。

派遣で働くデメリット

 実態として派遣社員が交通費を自己負担していることは多い。エン・ジャパンが今年1~2月、運営するポータルサイト「エン派遣」を利用する派遣社員に行った調査では「派遣のデメリット」と考えるのは「交通費が出ない」(52%)が「気に入った職場でも長期勤務できない場合がある」(55%)に次いで多い(図)。

 改正労働契約法を受け、厚労省は昨年2月、契約社員の通勤手当について、派遣会社の正社員との処遇差が不合理とならないよう業界への通知を行った。

大手を中心に改善の動きはあり、「エン派遣」の掲載案件で「交通費別途支給あり」は18年2月分で前年同月比2.83倍に急増しているという。

 派遣社員の場合、通勤手当が支給されていないと税制上不利となる問題もある。通勤手当が「通常の給与に加算」して支給されていれば、月15万円までは所得税が非課税になる。

しかし、通勤費が給与に含めて一括支給されている場合は全額が課税対象になってしまう。

確定申告で一定額を経費として所得控除できる可能性はあるが、手続きのハードルは高くなる。こうしたデメリットの解消も急がれるところだ。

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